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漆器考 3

(前回よりつづく)

すっかり汁椀を購入する事を忘れていた時に妹が汁椀をプレゼントしてくれました。


全体が朱色で塗られているお椀なのですが、今までに見たことの無い、独特の塗り表面をしていました。

艶はあるのですが、その表面がおぼろ月夜のような、新鮮な巨峰葡萄の皮が放つような何とも言えない

透明な銀色の光を発しているんです。


日の光の中でみると、光が塗りの中に一度入ってから、内側から反射して戻ってくるような目に優しい

やわらかい光なんです。



こんな塗り表面初めて見ました。



あまりにも美しかったので、しばらくは使わないで眺めていました。

聞いた所によると、たぶん自分で漆を精製しているものを使っていて朱色顔料以外は使って

いないんじゃないかとの事。価格は妹もいただきものだったので不明でした。

こんな漆器もあるんだと目から鱗でした。


この器に出会って、こんなに素敵な器をつくる人がいるんだと知って安堵感を持った事と

なぜだか嬉しかった事を覚えています。


先の購入失敗品のも”漆器”

同僚が使っているのも”漆器”

そして妹からもらったのも”漆器”

悩ましすぎますね ”漆器”って言葉


そう言えば、カシュー塗り製品の上に漆を塗っても”漆器”。

カシュー塗りなのに”○○塗り”(○○には漆器産地名称が入ります)と、呼んでいたりもします。

そして純粋な漆だけじゃなくて、漆に化学塗料が混じっていても”漆器”と言います。

木製品にウレタン塗りとか、樹脂に化学塗料を塗った上から漆を塗ったら”合成漆器”

さらに成分的にも色んな種類の漆が開発されていたりします。



あまりにも”漆器”と言う言葉の範囲が広くてごちゃまぜで、人それぞれでも、捉え方が違うようです。

ごく一般の消費者には何が何だかわからなくなっているのは確だと思います。

実際私がそうでしたから。



若い人たちにとって”漆器”ってどう思っているのかな?



漆塗りのお椀や皿などを何気なく使っていた子供の頃の記憶...

私のように”漆器”と言う言葉が持つ”心地良い、いい気持ち”は、ただのメランコリックな

ものになってしまったでしょうかね



そう言う記憶がある人は、一層この”漆器”と言う言葉が悩ましく思えるのかもしれませんね。

例えれば”漆器”は”和服”の域ではなく、もっと広い範囲の”衣服”とかと同じレベルの言葉に

なってしまったと、捉えた方が楽なのかも。


(次回につづく)
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